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生理(月経)と漢方

今回は、以前の「あらためて…生理について」の改訂版です。

生理とは

生理とは生理とは一言で言えば、「月に一度起こる子宮内膜の排出」のことです。

排卵により精子と結ばれ受精卵となった場合に、子宮内膜は優しく受け止めるためにフカフカに厚みのある状態になります。

しかし、排卵された卵子が受精しなかった場合は、必要がなくなりますから、翌月再び新しくフカフカに厚みのある状態にするために、今回の分は不要となり、剥がれ落ちて排出されることになります。

これが生理です。

つまり、「今月は妊娠しませんでした」の合図とも言えるわけです。

ですので、妊活中の方には、そうでない方とは違った意味で、生理が来ることがつらいこともあるのです。

周期

順調な生理は25~38日程度と言われています。

24日以内を頻発月経、39日以上を稀発月経と言います。また、妊娠や閉経などにかかわらず月経が起こらない場合を無月経と言います。

 

漢方では周期が短い場合を月経先期、長い場合を月経後期と呼びます。

月経先期は、子宮に熱がある場合(実熱)、物質的エネルギーである陰の不足があり相対的に陽が優位の場合(虚熱)が多いと考えます。

熱は身体を活動的・活発に動かしてしまうため、ペースが上がってしまうのです。

月経後期は、血の不足(血虚)が多いと考えます。

当然ですが、血が不足していれば、順調な周期までに必要量の血が充血しませんので、遅れていきます。

 

この他に、周期が早かったり遅かったりする方もいます。(先後不定

期間

順調な生理は、3~7日間で終了します。

 

2日以内に終わってしまうのは、過短月経と言います。

血の不足しており(血虚)、排出される期間が短いと考えられます。

 

逆に、8日以上ダラダラと続いてしまうのは、過長月経と言います。血を体内に保っておけない状態であることがあります。

経血量

量については、特に他人と比較したことがないため、多い・少ないの判断が難しいところだと思います。

 

経血量が多いのは、過多月経と言います。

日中でも夜用を必要としたり、漏れてしまうことがあったりします。

漢方では、熱があったり(実熱)、血の停滞(血瘀)の場合があります。

 

逆に経血量が少ないのは、過少月経といいます。

そのまま血の不足(血虚)が考えられます。

以上のように、周期・期間・経血量だけでも、いくつものパターンがあり、さらに経血色・血塊の有無・生理痛(月経痛)の強弱・PMSなどの要素も組み合わせると多くのバリエーションになります。

それ1つを取って、漢方薬を選択することは難しいです。

ご自身の生理について知るところから始めて、場合によっては婦人科を受診したり、あるいは漢方相談を活用してみてください。